「恵光」という名称には、み仏の智恵と慈悲の光に恵まれ、その恩恵が普くゆきわたることへの願いが込められています。
本園設立の精神は、この名の通り宗教的な情操教育を通じて、豊かな人間性を回復する「心の教育」即ち、人間らしい温もりと、思いやり、いのちに対する慈しみと感謝、敬いと和の心を育てるところにあります。
この設立の精神を、共に学び、共に実践するために、具体的にまとめると、
お陰さまと生かされて生きる「感謝」のこころ
共存共生を願う対話と交流の「平和」のこころ
あらゆるいのちを大切にする「平等」のこころ
真実を求め人間の感性を願う「自立」のこころ
自分を見失わないよう省みる「内省」のこころ
以上の5項目となります。
幼児教育の基本である心の教育に、登園は全力を尽くす覚悟であります。
混迷の21世紀を背負って生きていかねばならない子どもたちへ、自分の足で立派に立って歩んでいくことのできるよう、また如何なるときにも人間らしさを見失わないような人格者となってくださることを念願しつつ、これからも真摯に努めさせていただきます。
ドイツの幼稚園では、保育内容の基本はKIBIZ(児童教育法)に従っています。幼稚園は家庭の補足の施設と位置づけられており、状況に応じた適切な対応ができる大切な教育課題とされています。
状況に応じた対応とは、教育内容を子どもや家庭の個々の必要性、地域の住居環境等の日常の生活から取り上げ、できる限り子ども自身で決定することを学ぶことにあります。個々の子どもの要求を保育の場で展開できるように、小グループで指導が行なわれることも特徴のひとつです。
日本の文部科学省の「教育指導要領」には、幼稚園の教育として、幼児期における教育は家庭との連携を図りながら、生涯にわたる人間形成の基礎を培うために大切なものであり、幼稚園生活を通して、生きる力の基礎を育成するよう学校教育法78条に規定されています。
両国共に、就学前の児童が、自立性、社会性、自己決定性の3つの基本能力を身に付けることを教育課題としています。さらに恵光幼稚園では、「仏教のこころ」(浄土真宗本願寺保育連盟の掲げる《まことの心》)が中心となり、命の尊さ、相手の気持ちを考えられる優しいこころを学ぶことを重視しています。
本園では、基本クラス編成として、「ドイツの日」とよばれる縦割りのクラス(かえる・からす・うさぎ組)があり、各クラス3歳児から6歳児までが一緒になり、様々な活動を行います。また、週2回の午前中に「日本の日」とよばれる日は、年齢別設定保育(年少すみれ・年中ゆり・年長ふじ組)を行っています。
共に日本語とドイツ語の2か国語でのバイリンガル保育は、在園中に遊びながら母語以外の言葉を聞き、学ぶことができます。聞き取りの発達が著しいこの時期に、2か国語が話される環境で過ごすことは、他の幼稚園にない大きな特徴です。
ドイツ的な保育と日本的な保育を通して、互いの文化を両国の子ども達が相知ることで、おのずと国際性を身に付けることが期待されています。